<説教の要約>

西経堂伝道所牧師 西田恵一郎

「キリストが形づくられるまで」 

(ミカ書7章1~7節、ガラテヤの信徒への手紙4章8~20節)

 

 神を知った、いや、神に知られたのに律法やもろもろの霊力による奴隷状態に逆戻りしていた信徒たちがパウロは心配でした。そこで、彼は叱咤でなく、懇願するのです。キリストから離れて行く彼らを引き留めるためには陣痛の苦しみさえ厭わないと言うのです。男性のパウロが陣痛の苦しみを知るはずがありません。しかし、そこまでする覚悟が彼にはあったのです。彼にとって罪を赦され、キリストを知ることは何ものにも代えがたい恵みでした。故に、支配欲や野心から教えをしていたユダヤ主義者たちに騙されてキリストの恵みから離れて行く信徒たちを黙って見ている訳にはいかなかったのです。現代も、まことしやかな言葉や耳障りの良い言葉でキリストから引き離そうとする誘惑はあるのです。その誘惑に引き込まれないためには「キリストがあなたがたの内に形づくられ」(19節)る必要があります。この業は、どんなに強い覚悟があったにしろ、パウロひとりで行うことではありません。彼は助けて下さる聖霊が共に働いて下さることを知っていました。パウロの内に形づくられたキリストが私たちの内にも形づくられ、聖霊と共に主の働きに参与する者とさせて頂けますよう。