<説教の要約>

西経堂伝道所牧師 西田恵一郎

 「私たちが知っていること」

(エレミヤ書31章33~34節、ヨハネの手紙一5章18~21節)

           

 今朝の箇所の特徴は「知っています」(18,19,20節)が3度繰り返されていることです。「知る」は体験を伴う知識です。「私の主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失と見ています」(フィリピ3章8節)と告白したパウロの言葉が言い表す通りです。キリスト者が「知っている」ことの第一は、悪い者(悪魔)が私たちに危害を加えることなく、しっかりと捕まえられてしまうことがないように、主イエスが守ってくださるということ(18節)。従って、私たちは神との交わり(礼拝や祈り)を通して「神にとどまる」べきです。第二は、神に敵対する存在(悪魔)が世を支配している故、世を甘く見てはならないことです(19節)。第三は、神の子が人の子として来られた、そしてそれがイエス・キリストであること、つまり「受肉」の信仰に立つことです。この3つを「知り」、神に「従う」生き方はパウロが言った「生きているのは、もはや私ではありません。キリストが私の内に生きておられるのです」(ガラテヤ2章20節)という生き方そのものです。そういうキリスト者への誘惑として用いられるのが「偶像」(21節)   神に取って代わるもの:現代では地位や権力や金銭などでしょうか   です。光と闇などの対比を用いて来たヨハネが最後に「真の神」と「偶像」を対比させて警告しています。偶像は真の神を脅かす程の存在ではありません。しかし、現実の一つです。偶像から身を守るため、3つの「知っている」を徹底させましょう。