<説教の要約> 

「御子の内にとどまりなさい」

(ホセア書3章5節、ヨハネの手紙一2章18~27節)

 

 「終わりの時」(18節)とはイエスの初臨(イエスがこの世に来られたこと)に始まりイエスの再臨(再びこの世に来られること)によって完成する「新しい時代」(救いの時)のことです。同時に、歴史の最終段階なので「終わりの時」なのです。この時が満ちるまで、キリスト者は光の子として「終わりの時」の特徴の一つである「反キリスト」(「イエスに反対する、イエスの代わりになろうとする」人あるいは思想などの意)と戦わざるを得ません。ヨハネ教会にかつて居た「反キリスト」(偽教師たち)は「去っていきました」(19節)。今、著者は彼らが残した悪影響を一掃しようとしているのです。その一つがグノーシス派的(知識派的)影響で、知識はあるが、互いに愛し合うという「実」を結んでいない口だけの人たち。もう一つは快楽派的影響で、信仰的に高められているなら、肉体で何をしても悪影響は受けないという考えの下、不品行にふけること。これを払拭し、教会を守るため、著者は「御子の内にとどまりなさい(永住しなさい)」(27節)と勧めます。「御子にとどまる」とは「聖霊にとどまる」ことです。27節では聖霊を「油」と表現していますが、「油が万事について教えます」という確信に基づく言葉です。教えたのは著者自身です。しかし、その言葉を悟らせる真の教師は聖霊なのです。それを知る彼は教会を聖霊に任せます。そして獄中で祈りに専念したことでしょう。キリスト者は祈られながら「御子の内に」「聖霊の内に」とどまる者であると言えます。