<説教の要約> 

西経堂伝道所牧師 西田恵一郎

「この方こそ主メシアである」 

  (イザヤ書53章1~5節、ルカによる福音書2章8~14節)

           

 救い主の誕生を最初に知らされたのは羊飼いたちでした。彼らは人類の救い主、王の王の誕生を最初に目撃する者となる資格があるような者とは思えない人たちでした。しかし、神は羊飼いたちの救い主を求める声にお応えになったのです。生きるための助けと力を最も必要とし、それらを最も強く求めていた羊飼いたちに神は真っ先に、良き知らせを伝えたかったのでしょう。神の沈黙の時は長かった。そして、その沈黙を打ち破る出来事に人は恐れを感じます。しかし、神は「恐れるな」(10節)とおっしゃいます。もう恐れる必要はないのです。これがクリスマスのメッセージです。なぜならインマヌエル(神、我らと共にいます)なるお方・救い主が私たちにお生まれになったからです。羊飼いの理解のもう一つは、その職業には重要な意味があるというものです。詩編は「主は羊飼い」と歌い、福音書はイエスは良い羊飼いと言います。宗教改革者カルヴァンは「羊飼いたちの忠実さに注目せよ」と言います。彼らは救い主を待望しつつ、忠実に日常の業に励む者たちでした。日常の生活の領域で主が現れて下さる。これがクリスマスの出来事でもあるのです。生活の中で「栄光」(9,14節)が現れた。人を救おうと願う神の愛がイエス・キリストにおいて現れたのです。その救いは「すべての民に」(10節)与えられたものです。それを見る目を遮っているものを取り去り、イエスという救いの光を見せて頂きましょう。