<説教の要約>

「罪の赦しと聖霊」(ヨエル書312、使徒言行録23742

 

この場面でのペトロを筆頭とした弟子たちからは、みなぎる力を感じます。しかし、彼らは元々そうであったわけでも、復活したイエスにお会いした直後に急変したのでもありません。ヨハネ伝20章を見ると、不信仰から来る彼らの臆病さが浮き彫りにされています。それを知る主は、前もって「別の弁護者」の派遣を約束しておられます。この方は、①主と同じ方、②内におられる方、③「思い起こさせる」方、④「世の誤りを明らかにする」方、⑤真理を悟らせる方です。この方がペンテコステの日に与えられました。それにも拘らず、使徒言行録を続けて読むと、弟子たちは失敗を繰り返しています。私たちは依然として「肉の人」(ロマ714)であることを心に刻み付けていなければなりません。その上で、「息」「風」の意味を持つ「聖霊」の存在を再確認する必要があります。主な働きは「力」です。①心の持ち方や生き方を一定方向に向ける力、②罪ある人間を救うために具体的に働く力、③愛する力、④人間に使命を与える力。私たちの主イエスも肉をもって生きられた時は、この「力」を常に必要とし、求められました。いわんや、私たちにおいては、ということです。船自体に動力の無い帆掛け船は、動力を風に頼るしかありません。私たちは聖霊なる風の方向に目を向け、頼り、任せつつ進むしか生きる道はありません。