<説教の要約>
「神との和解、人間同士の和解」(詩編133:1~3、エフェソ2:19~22)
パウロが伝えようしたことは、私たちはキリストにあって「一人ひとりが新しくされた」こと、もうひとつが教会内の一致でした。「一致」という言葉は、新約聖書ではエフェソ書だけ、旧約聖書では詩編133:1だけで用いられています。一致は「平和」と言い換えることも出来ます。ユダヤ人と異邦人が共に生活する異教の地エフェソで、2つのグループの間に存在していた不一致は、正に「敵意という隔ての壁」(14節)でした。この節以降の特徴は、主語が「キリスト」になっていることです。一致を作り出すのは、キリストであり、キリストが平和そのものであると強調するのです。
「一人の新しい人」(15節)が意味するのは、異邦人とユダヤ人の双方が神との新しい関係に入れられ、人種・文化・宗教などの違いを超えた一致の関係に入るということです。教会の一致は理念や理想の一致でもなく、成員の一致団結に基づくものでも、組織や統一的儀式でも考えの統一でもないのです。「一致」は教会が一人の主を持ち、一人の主を礼拝し、一人の主に従うことで御霊によってもたらされるものです。復活後、主イエスが最初に発した言葉は「シャローム、平和があるように」でした。そして、「聖霊を受けよ」と続きました。私たちは共におられる神に祈り、聖霊なる神に頼りながら、キリストの体である教会を形成してゆくのです。