<説教の要約>

西経堂伝道所牧師 西田恵一郎

「畏れるべきお方は?」

(出エジプト記32章9~14節、ガラテヤの信徒への手紙2章11~14節)

 

 パウロが語る福音が真正なものであると公に認められたエルサレム会議後、エルサレム教会の代表者であったペトロがアンティオキア教会に訪問した時の出来事です。パウロが先輩使徒であるペトロを「面と向かって非難」(11節)したのです。異邦人とユダヤ人の混合教会だったアンティオキア教会では、人は信仰によって義とされ、キリストにあっては一つであるという信仰の下、共同の食事を始めていました。ペトロも当初、異邦人たちと食を共にしていましたが、エルサレム教会からの視察者が来ると、彼らの報告を気にしたのか、共同の食事を止めてしまうのです。福音の真理より人からの評判や評価を優先したのです。後輩のパウロから叱責を受けたペトロは3度イエスを否んだことを思い出したことでしょう。その時、イエスはおっしゃいました、「しかし、私は信仰がなくならないように、あなたのために祈った。だから、あなたが立ち直ったときには、兄弟たちを力づけてやりなさい」(ルカ22章32節)と。誘惑に弱い私たちのために主は今も祈ってくださいます。そして、ペトロに働きが託されたように、私たちにも託されたものがあります。失敗しながらでも、お従いし続けましょう。