<説教の要約>

西経堂伝道所牧師 西田恵一郎

「安心して行きなさい」

(詩編3212節、ルカによる福音書73650節)

 

この物語は「罪の赦し」の物語です。登場人物はイエス、そしてユダヤ社会でのエリートのファリサイ人シモンと「罪深い女(娼婦か?)(37)。ある日、シモンは巡回教師のイエスを食事に招きます。模範的エリートそのものの行動です。そこに招かれざる客であった「罪深い女」が現れ、シモンが忘れていた客を歓迎する時行う一連のもてなし(洗足、接吻、香油注ぎ)をします。シモンは自分の無礼を棚に上げ、イエスがこの女が何者か見抜くかどうか、心の中で試します。通常、預言者は人を見抜き、悪を排除したからです。しかし、見抜かれていたのはシモンの方でした。イエスは真の預言者であり、またそれ以上の者   罪を赦す救い主   でした。イエスは500デナリオンと50デナリオンを帳消しにしてもらった負債者の喩を用いて、罪の大小ではなく、罪を自覚する者に限りない赦しを与える神をシモンに教えます。罪とは神から離れることで、赦しとは神との繋がりを見失い、倒れている者を立ち上がらせる力です。ギリシア語で「解放、自由」を意味します。神は常にこの祝福を与えようとされています。その祝福に与るため、自らの罪を認め、主の足元に跪き、礼拝する者でありたいものです。